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2019 May 1

世に万葉の花が咲くなり

着分反という言葉があるそうで。

多分。

着分+反物。

造語、もとい業界用語とでもいうのでしょうか。

もともと。

着分というと、服を1着仕立てるのに必要な生地を指す言葉だそうです。

生地の幅やら着丈の長さで変わるのだろうけど。

ジャケットだと、250~300cmくらいですかね。

サンプルカットともいうのだとか。

また。

反物というと、和服1着分に使用する生地の量だそうで。

だいたい。

1反が幅37cm長さ1250cm前後。

幅のことはさておいて。

この1反という長さが、染めをしたり、プリントをしたりとする上で、ムラが出ない丁度よい長さらしく。

素材のアレコレで微妙に長さは違ったりするっぽいのですが、生地生産の基本単位と認識して問題ない模様。

で。

洋服サンプルを生産するために。

サンプルで作った12~13mくらいの生地のことを、着分反というと。

まぁ、サンプルですから。

採用され、初めて出回るわけで。

諸事情により没となれば、日の目をみるまで保管されるとのこと。

なかでも。

思いれの詰まった特殊な生地となれば。

原材料やら、機やら、特に職人さん。

諸々のどれか一つでも欠けてしまうと。

サンプルはあれど、世に出せない生地になるとのこと。

そんな話を聞くと。

インターネット世代の職人離れやら。

中小零細企業に、匠が乱離拡散する日本のモノづくりの現場の在りようにと。

ちょっぴり思いを致す、梅田店の嶋岡です、こんにちは。

 

そんな。

日本の川中事情が透かし見えなくもない。

DEADSTOCK FABRIC COLLECTION.

出色の出来栄えを誇るジャケットがあります。

 

 

Slab Cloth Tailored Jacket (Beige) 65,000yen+tax / CONFECT

 

「詳細不明。」

どんな素材かと尋ねると、なかなかパンチのある返答。

もちろん。

綿73%, レーヨン19%, 麻8% といった質量割合などはわかっているもの。

それらを、どう撚り、どう織れば、この布になるのかが失われてしまった生地です。

見目とは裏腹に、柔らかくするっと落ちる着心地。

凄いなと思うのは、甘い凹凸のある表情。

機に張るだけで、すっぽ抜けそうなスラブの甘い糸。

その繊維を束ねただけのようにも見える太い経糸を細い緯糸で縛ったような独特な表情と。

その糸を辿ると、すっと撚りが入り細やかな目面になる不思議。

またスラブ糸を挟んで細い経糸の列があり。

全体では3㎝幅ほどの、ざっくりとしたストライプ柄が浮かびます。

足りぬ知識では。

どうすれば、こんな生地に織りあがるのか見当がつきません。

しかも。

現存したのは着分反のみ。

工房のアーカイブとして保管されること、十と余年。

おそらく商品としては世に出なかった生地じゃなかろうかとも。

 

そんな貴重な生地を譲りうけたものだから。

CONFECTでは珍しく、ジャケットのディテールを作りこんで表現してみました。

クラシカルな顔になるように、ラペルは広め、両玉縁のフラップポケット。

極薄の肩パットを入れて、袖山をつけて、フロントはダーツで絞り、いつもより余所行きの表情に。

釦の掛け位置はかなり下に設定しつつも、釦レスにすることで”らしさ”を演出しています。 

 

 

袖も、普段のジャケットより随分とスッキリと。

袖口の釦を省くことで。

コンパクトでありながらも、窮屈な印象を受けません。

 

 

背中は剝ぎを取らず、ダーツも入れず、リラックスした立ち姿を意識しつつも。

「ノーベントが一番きれいなんだけどね、ディテールを入れたかったから。」

と。

CONFECTでは、本当に珍しいサイドベンツ。

裾の広がりを抑え。

ノーベントに近い見栄えになるよう、かなり浅い設定になりました。

 

 

 

新しさと懐かしさとが同居する、シャープな出で立ち。

春の日差しを柔らかく受けて返す、趣のある風采。

特別な生地に応えるべく仕立てた、たった5着の特別なジャケット。

既に。

2着はそれぞれ良い人の手元に。

残すは。

表参道店に1着。

梅田店に1着。

最後の1着は揚々と。

 

それでは、今日からは新元号。

 

我らの世代は洋服で。

未来に微笑む顔と顔。

CONFECTのジャケットをご一緒に。

 

なにとぞ。

令和の時代も、良しなにお願い申し上げます。

 

 

P.S.

 

 

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〒530-0011
大阪府大阪市北区大深町4-20
グランフロント大阪 南館4F
電話番号:
06-6374-1130
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