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2020 Oct 9

悪魔の証明

”ない”とは”ある”の打ち消しである。

ゆえに。

”ある”ことを前提にし。

つぶさに否定して、はじめて”ない”ということが証拠立てられうるのだとか。

消極的事象の証明と、言うのですよね。

あっているでしょうか。

また。

一言に”ない”といっても。

もとから”ない”状態なのか。

”ある”状態から”ない”状態になったのか。

まぁ。

前者に対して。

後者は”ある”状態を示す、形跡やら痕跡を探せばよいのだから、比較的わかりやすいのかな、とも。

条件を明記された数学ならば、バキっと答えが出そうなんですがね。

無い袖は振れないと言いましょうか。

ひとめ見て。

”ない”なら仕方がないじゃないかと。

ないないの神様とうっかりの神様を信心して。

刹那的に生きている、梅田店の嶋岡です、こんにちは。

それでも。

ミロスの女神像の欠けた腕ではないけれども。

事の来歴を手繰り寄せて、失われた成り立ちを夢想するのは楽しいもので。

”ある”ことよりも。

”ない”ことに、心躍ることもありましょう。

そんな気持ちになれる一着は如何でしょうか。

 

ピケストライプノーカラージャケット (M.Blue) 33,000yen+tax /CONFECT

 

ノーカラージャケット。

つまり、カラーが”ない”ジャケット。

わざわざと。

襟がない事を断るのだから。

ジャケットという洋服は、襟がある事が前提ですよね。

ナポレオンやヴィクトリア時代の軍服に事の端を発し、産業革命と共に大きく変成したジャケットの様式。

立ち襟を返すことで、上襟と下襟を備えたテーラードジャケットが生まれます。

そのジャケットの顔とも言える襟が”ない”のだから物議の一つを醸そうというものです。

そもそもに。

洋服の中で、襟の無いジャケットと思いつくのが。

チロリアンやボレロ。

前開きのスモックなども、襟が無いものを多く見ます。

貧弱な知識では真相を知りかねるのですが。

これらの洋服は最初から襟がなかった口でしょう。

元々は襟がついていたのに。

コイツは取っ払われたなと、見て取れるものは。

大戦時に配給された、レイルウェイジャケット。

襟があるべきところに。

ステッチで後生に飾りを入れていたりするのだから、時代の背景とあわせ、察するに事足ります。

では。

パターンこそ、テーラードジャケットのそれでありながら。

このジャケットには、なぜ襟がついていないのか。

他のディテールと照らし合わせて、思いを飛ばしてみることに。

まずは布地。

ヨーロッパで広く使われていたワークウェアを彷彿とする、厚手のピケストライプ生地。

ワークウェアでストライプ柄といえば、ブッチャーストライプなどのパッキリとしたコントラストのものを思い描くのだけれども。

澄むともない。

やや濁色のブルーは、1950年代のイギリスの空気を受け継いだもの。

長い大戦が終わり、戦勝国に名前は連ねるものの。

時代の在りかは海を渡り、西の大陸へ。

晴らしどころのない時勢を感じます。

やや低い位置に陣取るチェンジボタンは、古い時代のワークウェアによくみられるディテール。

洗濯の有り様が変わっていく、この時代を節目にあまり使われなくなったのだとか。

そのボタンで留める。

身頃の打ち合わせは深く、よりクラシカルな雰囲気を後押しします。

正しく時代を踏襲するのであれば。

古めかしく。

広い肩と、どってりとした襟。

重量感のある逆三角形を彷彿するシルエットのジャケットが目に浮かぶのですが。

身幅や腕ぐりに対して、華奢とも捉えられる肩。

ポケットディテールこそ、スタンダートな箱ポケットを採用するも、袖口は飾り気のない筒袖。

そして、ノーカラー。

上半身にあるべきボリュームを削ぎ落したシルエットに。

物の背景が持ちうる。

重く、沈んだ部分を。

より良い素材を使用して。

執着された箇所を潔く。

”ない”ことを是とすることで。

今の時代の空気感に馴染ませています。

 

ピケストライプワークトラウザーズ (M.Blue) 27,000yen+tax / CONFECT

 

 

もう一つ。

ジャケットと合わせて作ったトラウザーズ。

ヒップに取り付けられたシンチバックも懐かしいディテールです。

古いデニムに見られるモノよりも。

低い位置に取り付けられたそれは、ハイバックのトラウザーズにあるもの。

アイビールックに広くみられるも。

最近ではトンと目にしなくなったように思います。

 

 

まずは。

なつかしい、CONFECTのニットとコーデュロイとのコーディネイト。

それぞれの洋服が持つボリュームをよそに。

すっきりと見えるシルエット。

ボタン位置が低いからこそ。

ややシャープなVゾーンでありながら、フロントラインはなだらかに、全体の丸みを感じさせます。

飾り立てる襟がないからこそ。

そのシルエットが描く、素直な印象を感じ取れるのではないでしょうか。

 

 

ストライプのセットアップというと。

気取った洒落者といった印象を受ける人が多いのだそうで。

店頭でも。

よくオシャレ過ぎるといった話を耳にします。

オシャレが過ぎることの何が問題なのか。

常、疑問に思ったりもしますが。

これなら、どうでしょうかね。

お洒落でないというわけでは、断じてないですが。

気取った様子や、肩や肘に力を入れた様子のない、セットアップ姿。

もう少し。

着込んでくったりとした表情が出るころ合いが楽しみでもあります。

趣向を凝らすなら。

白の靴と合わせて、ちょっと汚したくらいが良いのやもしれません。

 

証明は主張するものにあり、否定するものにはない。

なんて言いますが。

カッコいいかどうかは。

見れば分かるし。

袖を通せば感じるものです。

が。

襟の有無に限らずに。

カッコいいとは何ぞやと。

こと。

洋服の解説ならび、洋服選びの手伝い。

随時、お受けいたします。

着たことが”ない”なら、なおのこと。

カッコいい服を試しに、いらしてくださいね。

 

 

P.S.

 

 

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