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CHARLIE BORROW -OVERNIGHT BAG-
こんにちは。
KITTE丸の内店スタッフの原です。
先日、首を長くして待っていたバッグが店頭に届きました。
革、生地、ディテール、どこを取っても強靭さが伺える英国メイドのバッグ。
CHARLIE BORROWのご紹介です。
(画像参照:https://www.charlieborrow.com/)
「最高品質で強靭なバックをマーケットに送り出す」という目標を掲げて、2013年、東ロンドンでスタートしたバッグブランド”CHARLIE BORROW”
デザイナー兼クラフトマンであるチャーリー氏がハンドカットや縫製等、自身の手で全工程を仕上げるハンドメイドブランドです。
主にミリタリーアイテムをソースとしたバッグが多く、オーバースペックとも言える堅牢な作りに魅了され、着々とファンを増やし続けています。
また生地、革、鋳物共に英国で伝統的に受け継がれてきたマテリアルに拘ってバッグが製作されています。
OVERNIGHT BAG (Olive) ¥107,800 (税込) / CHARLIE BORROW
さて、クラシカルで堅実な雰囲気漂うCHARLIE BORROWですが、今作も例外なく存在感を放っております。
OVERNIGHT BAG (オーバーナイトバッグ) は飛行機の手荷物を想定した中容量のバッグとなっています。
一泊二日は過ごせる容量となっており、中の仕様は内ポケット除いて敷居が無い為、他の用途でも使っていただけるかと思います。
目立って大きいわけではなく、普段使いとしても成立するサイズ感です。
CHARLIE BORROWではお馴染みのスコットランド製、極厚フラックス生地。
シャツなどで用いれる麻生地とは正反対の強固な生地となっています。
本来は海軍艦艇の帆や軍用のウォーターバケツなどに採用され、悪天候でも耐える強靭さがフラックス《亜麻生地》の魅力です。
亜麻の良さは、雨などで生地の表面が湿気を吸収し繊維が膨張することで目が詰まり、鞄内部に水が侵入しづらくなります。
加えて、吸収と乾燥を繰り返すことで、繊維同士の隙間が無くなり、撥水効果として発揮してくれます。
ボディを覆うように付けられたレザーハンドルは5mm厚のオークバーク鞣しフルグレインブライドルレザーが採用されています。
”オークバーク鞣し”と”フルグレイン”とは。
”オークバーク(樫の木)”とミネラル水のみを混ぜた鞣し材で一年以上を掛けて鞣されるレザーです。
その工程は、濃度別に樹皮からタンニンエキスをピット槽(タンニン槽)へ抽出後、皮を濃度の薄いピット槽から濃いほうへ約1年掛けて移し替えていきます。
時間をかければかけるほど皮の内部の繊維にしっかりタンニンの成分が染み込み、堅牢な革に仕上がると言われています。
ピット槽の漬け込みを経て、今度は染色とワックス(蜜ロウ、タロウ、植物性油等)を塗り込む作業を行います。
この工程では銀面(革の表面層)を削り、よりワックスが革の内部に浸透しやすくさせ、柔軟性と堅牢度を練り上げていきます。
ここで通常行程と異なるのが、染色とワックスを塗り込む工程で「銀面を擦る作業」を行わずに製作を進めることを”フルグレイン”と呼びます。
本来は擦らないとワックスの染み込み具合が悪くなりやすいのですが、会社内で受け継がれてきた独自のワックスレシピがフルグレインを実現しているとのことです。
そして、なぜフルグレインにしているか、それは「最も丈夫だから」とのことでした。
画像参照(https://www.charlieborrow.com/the-tannery)
オークバーク鞣しは現代の鞣し方と大きく異なり生産性など多方面で課題がある為、英国ではJ&FJ Bakers co.(通称:ベイカー社)でしか取り扱いはありません。
デボン州の田舎街コリトンという街に作業場を構えており、街の周辺は樫の木をはじめとした木々に溢れ、家畜を行うにも適した環境です。
創業から150年以上、長い時間を掛けながら伝統的なプロセスを経て、質実剛健と言える革が出来上がります。
...と、つらつら説明しましたが、実際どれだけ強靭かというと。
ハンドルだけで自立します。
個人的にバッグの域を越えているところが心に刺さります。
コットン生地のストラップも付いており、2Way仕様でシーンに合わせて使い分けて頂けます。
Dリングをはじめとした鋳物はウォルソール(ウェストミッドランズ)にある英国王室御用達の鋳物工場の金具になります。
主に馬具類の金具の製造を行っており、型から取られた真鍮のパーツは職人の手で一点ごと磨きあげ、美しいくも頑丈に仕上げられます。
またDリングの縫製箇所は、使用時に一番負荷が掛かりやすい為、リベットに革を加えた補強を施しています。
長く愛用できる生地や革だからこそ、消耗しやすい箇所への配慮もCHARLIE BORROWの魅力です。
リベット箇所から少し視線を上げると、ジップ界隈では有名なriri社が採用されています。
耐久性や開閉時の滑らかさの良さはもちろん、高級感溢れる質感から数多くのメゾンブランドからも採用されているメーカーです。
内部のポケットはホースレザーが採用されています。
使用者でしか、目にしない箇所ではありますがフルグレインブライドルレザーとは異なる魅力があります。とくに皺の表情が渋く、幾分柔らかい為、小説程度の厚みは収納可能。
一つのバッグで牛と馬の変化の差を楽しんで頂きたいです。
CHARLIE BORROWではバッグのボディと同じ生地の布が一緒に付いてきます。
これは生地が裂けてしまったときの補強用として使って頂くわけですが、強靭さが売りのCHARLIE BORROWにとってこちらの出番はまだまだ先になります。
それまで、『補強用の布』は無くさず保管して頂きたいです。
画像参照(http://encore-boutique.blogspot.com/2020/09/2.html)
ここからは個人的なお話になります。
CHARLIE BORROWはそれなりの使用頻度だとしても、10年プレイヤーとしてずっと活躍できるブランドです。
ですが、どれだけ強靭だろうと使っていけばいつか生地は破れます。
それを修繕し、また使っては破け修繕し、それを繰り返してもらいたいブランドです。
それこそ、ヴィンテージのモールスキンジャケットなどの風格が一つの理想だと思います。
修繕し使い続ける点を言い換えれば「サステナビリティ(持続可能性)」でしょうか。
近年、耳にする言葉であり、今後のファッションシーンでも重要なワードです。
しかし、数十年も前からサステナビリティな考えを持って洋服を楽しむ方々はいます。
代表的な方だとチャールズ皇太子でしょう。
画像参照(https://www.esquire.com/jp/mensclub/a29618420/prince-charles-fashion-style-sustainable/)
画像参照(https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/celebrity/g35158886/prince-charles-was-the-original-hipster-end-of/?slide=21)
参考画像(http://hanemone.blogspot.com/2019/04/blog-post_29.html)
自分がCHARLIE BORROWのバッグを初めて買って、間もない頃。
とある洋装店の店主さんからチャールズ皇太子のリペアし尽くしたBarbourのお話を聞き、感銘を受けました。
30年以上愛用してきたジャケットは原型を留めてなく、いくつものリペアで構成された服と化してましたが、それが格好良く、美しく、芯が通ったものだと感じました。
買ったばかりのバッグもチャールズ皇太子のように何十年も使い続け、今以上の魅力を開花させたい。
同時に一つの物を使い続ける姿勢、信念のようなものを持ち合わせてファッションを楽しみたい、と服やバッグの見方が変わっていきました。
OVERNIGHT BAGは価格が10万以上と二度、三度の検討では購入に踏み込めないです。
しかし、素材選定や物作りの良さ、メンテナンスの楽しさは価格以上の魅力が詰まっております。
個人的には、『補強用の布』が必要とされる頃に風格、愛着といった真価を感じられることでしょう。
是非、10年で留まらず、生涯プレイヤーとして使って頂きたいです。
最後に過去の記事になりますが、私が普段愛用しているCHARLIE BORROWの経年変化及びレビューをご紹介しております。
もしも、OVERNIGHT BAGを検討されていれば、是非参考としてご覧頂ければ幸いです。
では、本日は以上となります。
ご来店の程お待ちしております。
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